男子テニス世界ランク10位のステファノス・チチパス(ギリシャ)が母国のテニスメディア『tennis 24』のインタビューに登場。そのなかで今シーズンの目標に「四大大会での優勝とパリ五輪のメダル獲得」を挙げた。

 2023年8月の「ロスカボス・オープン」(メキシコ/ATP250)で約1年2カ月ぶりのツアー優勝を飾って以降は低空飛行が続いているチチパス。

 シーズン後半の「エルステ・バンク・オープン」(オーストリア/ATP500)と「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス/ATP1000)ではベスト4に進出して調子を取り戻しつつあった矢先、シーズン最終戦「ATPファイナルズ」(イタリア/FIN)では背中を負傷して大会を途中棄権。ここ最近はジェットコースターのような時期が続いている印象を受ける。

 また先の「全豪オープン」(オーストラリア/四大大会)ではベスト16に進出したものの昨年大会準優勝で得たポイントはディフェンドできず、ランキングは7位から10位に後退。19年2月以来となる約5年ぶりのトップ10陥落も目前に迫っており、まさに正念場を迎えている格好だ。

 それでも25歳の若武者はポジティブシンキングを貫いている。「グランドスラム(四大大会)とオリンピックでのメダル獲得。それは僕にとって大きな意味を持つ」と今シーズンの目標を掲げた上で、パリ五輪では弟のペトロス・チチパス(23歳)と「ダブルスを組んで一緒に戦いたい。それは僕の人生での(大きな)夢の一つだ」と野望を語った。
  チチパスといえばプロ選手としての経験がない父親のアポストロス・チチパス氏に幼い頃から指導を受けていることで知られ、以前からアポストロス氏への感謝の言葉を口にしてきた。今回のインタビューでも改めてチチパスはかけがえのない父親の存在の重要性をこう説いている。

「僕と父はテニスを共通の話題として常に共有してきた。父と一緒にいない時、プレーヤーとしての僕のアイデンティティの一部が失われるように感じる。過去には彼をチームに置かない期間もあったが、僕はその時、父親は自分の半分を司るような存在だったとわかった。

 僕が彼に対して良いことを言わない場合もあるが、彼は僕の唯一の理解者であり、それが仕事の一部でもある。父親としての側面とコーチとしての側面を切り離せるのは良いことだと思う」

 四大大会で2度の準優勝を経験するなど男子ツアーの代表格として活躍してきたチチパス。彼の実力なら目標達成のチャンスは十分にある。ぜひとも今季はそれを生かしてもらいたい。

文●中村光佑

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